かつて動物園は年末年始を除いて休みがないのが当たり前でした。職員は交代で休めるものの、動物たちには静かでのんびりできる日がなくストレスがたまる一方で、健康面への影響も見過ごせない状態となっていました。1974年、大阪市天王寺動物園が全国で初めて休園日を設け、その後、東京、横浜、福岡、京都など大都市の公立動物園に広がりました。王子動物園でも1951年の開園以来休園日はありませんでしたが、1978年1月から神戸市立須磨水族館(現
在:神戸市立須磨海浜水族園)とともに来場が少ない水曜日を休園日とすることになりました。 今、動物たちは天候の良い季節には屋外の運動場で、暑さ寒さの厳しい日は暖房や冷房のある屋内でゆったりと休みをとっています。休園日の飼育職員は今回のテーマにあるとおり結構忙しく、普段できない人手のいる作業や工事・修繕、動物病院の獣医師といっしょに手術や人工授精などに追われています。また、大型トラックでしか運べない乾草などの餌も
休日に飼料倉庫へ搬入します。管理事務所の事務職員も休園日であっても普段と業務内容は変わりありませんが、工事関係や餌の業者などとの連絡調整や対応が多くあります。
園内には樹木や草花も多く、この手入れも必要で、開園日に頭上から枯れ枝が落ちてこないよう高所作業車を使った剪定や草花の入れ替えも休園日に行っています。
ともあれ動物園は動物の世話をするため1年365日、休園日はあっても休むことなく動き続けています。 |