オランウータンの赤ちやん「ムム」
■ 園長の一口メモ ■
〜ジャイアントパンダ〜
神戸市立王子動物園 園長
石 川  理

 平成12年から始まったジャイアントパンダの日 中共同飼育繁殖研究も10年目を迎え一応約束の期 限となりました。その間、雄の交換や死産、出産は しても4日目での死亡などいろいろなことがありま した。雄の交換には後日談があり、中国へ帰った後 も専門家の間で雄か雌か議論となり、手術やホルモ ン治療を受け、今では立派な雌となっているそうで す。当園にいるジャイアントパンダが生まれた四川 省臥龍にある保護研究センターは平成20年に発生 した四川大地震で壊滅的な被害を受け、今は別の所 でパンダが飼育されています。中国では倒壊したセ ンターを元に戻す努力をされており、動物園でも来 園される方々に募金をお願いしたところたくさん集 まり、センターの復興に役立ててもらっています。
 また、この10年間で中国から40人を超えるパン ダの技術者が袖戸に滞在し、日本の実際を見聞きし てもらいました。中国へ帰って周りの人々に話され ることで、日本への理解も少しずつかもしれません が図られたのではないかと思っています。期限を迎 える共同研究をその後どうするか一昨年から中国と 協議してきましたが、しばらくは今のパンダが神戸 にいることになりました。現在条件面について交渉 していますが、そのうち皆様にお知らせできると思 います。