* ちょっと知ってる *

* インドホシガメ 日本初ふ化成功 への知られざる努力
2004年


インドホシガメの卵 今回王子動物園で、インドホシガメの卵を人工ふ化により、 子ガメを誕生させることに成功しました。
これは日本の動・植物園では初めてのことなのです。
なぜならインドホシガメは、それぞれの園での飼育の数も少なく、 今までふ化の成功例がない為、 どのような条件下で卵がふ化するのかくわしい文献もなく、 もちろん、は虫類専門の人工ふ化器もない為、 すべてが手さぐり、そして手作りの状況下での挑戦だったのです。

インドホシガメふ化 ふ化させる為の一番のポイントは、温度と湿度管理です。
ある一定の温度と湿度をふ化するまで保っておかなければなりません。

そこで今まで試行錯誤してきた、 飼育係の人の手作りの人工ふ化器の一部を紹介します。
・お弁当用のタッパの中に水ごけを敷き(これを床材といいます)、 その中に卵を入れ霧吹きで湿り気を与えていたが、 湿度が高すぎて失敗。
・金魚を飼う長方形の水槽にある程度の水を張り、 水から少しでるくらいの高さまでブロックを積み上げます。
そこへバーベキューをする時に使う金網をのせ、 その上にタッパを置きます。
今度の床材はサボテンを植えるときに使う、 バーミュキュライトという土を入れてみましたが、 それも失敗に終わりました。
今までたくさんのチャレンジと失敗を繰り返す中、 1997年8月2日、本年度の産卵シーズン最初のインドホシガメが、 6卵産卵しました。
インドホシガメ
今度は以下の様な条件下で人工ふ化に挑戦しました。
1)ふ化器内温を30℃に保つ
手作りの木箱の下側の両脇に、拡散型保温電球を1個づつセットし ふ化器内温が常に30℃に保たれる様に温度を管理。

2)電球の少し上に、バーベキューをする時の網を固定。
その上にお弁当用のタッパに、 園芸用の赤玉土を高温殺菌して敷つめ(これが卵の床材となります)、 そこにある程度の間隔をあけて、卵を並べる。

3)床材に霧ふきで水をふきかけ、湿度を60%に保つ。

この様な環境下で約90日後、まず2匹の子ガメがかえり、 その後数日間に6個の卵すべてがふ化。 甲長約3cm、体重15gのインドホシガメの赤ちゃん6匹が誕生しました。

インドホシガメNo.4 多くの試行錯誤と新たなチャレンジ、たゆまない努力そして何より 生きものを愛する心が、人工ふ化成功のいしずえとなったのです。

ふ化したベビーは、それぞれ甲羅の上に1〜6までのbェ書かれ、 発育測定時など、今はその記号で識別されています。
インドホシガメは甲長が10cm以上にならないと、 オスかメスかわからないそうです。
ちなみにオスはしっぽが長く、 メスは産卵しやすい様にしっぽが短かいのです。
また9月2日産卵の2卵もふ化し、合計8頭の子ガメを見ることができます。



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