思い出のアルバム 


* 第15回「大人のための動物園講座」
〜飼育係が歩んだ動物園今昔〜

今回のテーマは、41年余り動物の世話を行ってきた飼育展示係総括班長の三角勝利が、これまで起こった出来事や心に残った思い出、また、現在と昔の動物舎の相違など、過去を振り返りながら体験した事を紹介しました。

2月26日日曜日朝9時30分、あいにくの冷たい風雨にもかかわらず、三角総括班長の貴重な体験談を聞くために応募当選された92名の方の参加がありました。


三角総括班長が勤務しはじめた昭和39年当時の王子動物園東園の風景や、当時のゾウ舎の様子、インドゾウの「太郎」が掘に転落した時のクレーン車での救出劇、人工飼育による動物達とのふれあいなど、勤務した41年間でおこったさまざまな出来事をスクリーンに映し出し、それにかかわるエピソードを次々に紹介しました。



三角総括班長が今までで一番嬉しかったことは

1981年(昭和56年)神戸で開催された『ポートピア‘81』で、天津市からジャイアントパンダ2頭を借り受け6ケ月間展示しました。その期間中王子動物園と天津動物園の編成チームが結成され、その一員となりパンダ飼育に携われた事。そして現在のパンダプロジェクトチームの一員である事!



動物にとっても来園するお客さんにとっても安全で快適な獣舎環境、動物の成長や健康を第一に考えた食事内容、国内外の動物園間で行われる動物の貸し出しによる種の保存事業、動物を見せるだけの展示から、野生での本来の生活に近づけた生活環境作り、学習の場であり憩いや癒しの場でもある動物園・・・

時代とともに動物園のあり方が移り変わる中、ひとり一人の飼育スタッフの努力と試行錯誤の歴史があるからこそ、王子動物園の歴史が積み重ねられ現在に至っていることを改めて実感しました。そして何より飼育スタッフの熱意と動物を愛する心・・・これが根底にあり、脈々と受け継がれていることこそが、現在にいたる王子動物園を、そしてこれからの王子動物園をささえていくのだとのメッセージが参加者に届けられました。



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