オーストラリアの東部だけに住むコアラは、 カンガルーと同じおなかに袋をもつ有袋類です。 コアラの種類は3種に分かれていますが、 ここでは最も小さい、クィーンズランド種のコアラがいます。 グレーのふわふわした毛皮に大きな鼻、 木の枝わかれしたベッドで、丸くなってうとうとお昼寝。 ぬいぐるみの様なそんな姿がかわいらしいので、 コアラは動物園の人気者なのです。 コアラはユーカリの葉しか食べません。 ユーカリの葉は、繊維質が多く硬くて消化しにくく、 動物にとって毒になる成分があります。 その為コアラは体長60cmくらいの小さな体にもかかわらず、 3mもの長い腸をもち(人間は8〜9m)、 腸の中にいるバクテリアで消化させ、毒は肝臓で解毒するのです。 ユーカリは栄養価が少ないので、出来るだけエネルギーを使わない為に、 昼間はもちろん1日20時間くらい寝るのです。 コアラの赤ちゃんは生まれた時は、1g、2cmくらいの小さな小さなベビー。 ピンク色をした裸の子どもは目も口も開いておらず、足も未発達ですが、 母親の育児のう(袋)まで、はっていき、乳首に吸い付きます。 袋はあったかくて、安全な保育器がわりなのです。 そんな袋の中で、スクスクと大きくなり、 約6ヶ月で袋から顔を出すようになります。 しかしユーカリは、赤ちゃんはまだ食べられません。 では離乳食として、何を食べると思いますか? それは、お母さんの「うんち」なのです。 お母さんのうんちは栄養価も高く、ユーカリも消化されており、 その中には赤ちゃんの体の中で、 ユーカリを消化させる微生物も含まれているのです。 7ヶ月もすると、袋から出て、お母さんの背中におんぶされ、 ユーカリの葉を食べるようになります。 この時食べたユーカリが、 このコアラの一生の好みにあったユーカリになるといわれています。 つまり「おふくろの味」というわけですね。 約10〜11ヶ月で独立し、その後は単独行動をし、寿命は10〜14年。 お母さんといる間は短いけれど、お母さんのぬくもりや、 やさしさは決して忘れない事でしょう。 王子動物園のコアラの昼食は、午後1時頃。 その時だと、動いているコアラと会えることでしょう。 |
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