パンダのあしあと

2003年



* タンタンお昼寝、名もないカラスが主役・・・12月7日


太陽の日差しを全身に浴びながら、主(あるじ)のタンタンはスヤスヤとお昼寝中。

ゆっくりとした時間が流れる中、静かにプールに舞い降りた1羽のカラス。
周りを警戒する素振りも見せずに、頭を水の中に入れ、勢いよく後ろに反らし、水を上手に背中から翼にかけて行水をしています。

光沢のある真っ黒な羽にあがる水しぶきは、太陽に照らされて輝き、その優雅なしぐさと美しい光景にしばし見とれて、人気者のタンタンではなく、名もないカラスが主役のひと時でした。



* 晩秋の2頭…11月中旬
コウコウは“の〜んびり水浴び”、ギャラリーは“おーさむ”
日中良く晴れてはいても肌寒い11月中旬の15時過ぎ。
屋外運動場をうろうろ散歩していたコウコウが、後ろ足からそろりと水のはったプールに入り、腰までつかって座りました。パンダ座りで投げ出した右足を水に浮かべてゆっくり左右に揺らしたり、座ったままプールの側面にもたれたり、背を丸くして前かがみになったり・・
そのしぐさは、旅先の露天風呂で癒しを求めてゆっくりくつろいでいる私達と何ら変わりはありません。
「頭にタオルをのせたらお風呂やん」
「パンダのこんな姿みるの初めて、すごくかわいい!!」
「水に入ってさむないんかな?」
愛らしいその姿に、ギャラリーは大喜びです。
食事の時間となり室内運動場にもどり、ニンジンやササをムシャムシャと食べ、今日の体重は『141.5kg』。元気です!!
メスのタンタン「夕食まだ?」
夕方の食事は室内運動場。その時間が待ちきれないらしく、屋外のタンタンは何度も室内運動場への入口となる扉付近に向かいます。
扉の前に座ったり、背伸びをしたり、クンクンと鼻を近づけ匂いをかいだり、落ち着きません。のんびりプールにつかっているコウコウとは正反対。
扉が開くと一目散に中へ入り、みんなに見守られながらの食事、きょうの体重は『92Kg』。



* 2世は来年に期待…9月中旬
タンタンが妊娠しているかどうか、関係者はもちろん、多くの人々が2世の誕生を心待ちにしており、 そのニュースは注目を集めていました。
食欲がなくなる、妊娠中と同じ様なホルモンの分泌という体の変化、 またニンジンなどをまるで赤ちゃんの様に抱きかかえる育児行動など、 妊娠の可能性をうかがわせる状態が続き、パンダによくある想像妊娠? もしかしたら本当に赤ちゃん誕生?どちらとも判断できない状態が続いていました。
今年の5月に初めての人工授精を行った為、妊娠しているかどうかの見極めは中国からの専門スタッフも来園し、より慎重に行われました。
人工授精から4ヶ月が経過した9月中頃、食欲ももどり、ホルモンの状態も普通に戻った為、 今回は妊娠していないと判断されました。
この結果は残念ですが2世誕生はまた来年に期待し、これからも2頭を見守りましょう。



* 赤ちゃんの誕生は? もうしばらくお待ちください。
今年の5月4日・5日に人工授精を受け約3ケ月。
みんなが心待ちにしている、コウコウとタンタンの赤ちゃんが誕生するかどうか、それはまだわかりません。

なぜ? その理由を聞いてみました。
パンダの妊娠期間は、交尾後から125日〜150日といわれていますが、かなりの個体差があり、日数だけでは判断できません。
赤ちゃんパンダの体重は約150グラムと非常に小さいものです。100キロに近いタンタンのおなかにいたとしても、 その赤ちゃんでおなかが大きくなる事はないので、外から見てもわかりません。
実際のところ出産の目前にならないと、本当に妊娠しているかどうかはわからないでしょう、と。

さて、渦中のタンタンは・・・
 自然界では中国の高地に住んでいるため、日本の夏の暑さは苦手です。
その為、夏の間は25度に設定された室内運動場で過ごします。
 お気に入りのタイヤの真ん中に、パンダすわり(両足をなげだした状態で上体をまっすぐに立てて座る姿勢)をして食事中。
 チャームポイントの短めの後ろ足を、ちょこんとタイヤの上に乗せている姿に、観客は大喜び。 食欲旺盛なタンタン、みんなが待ち望んでいる赤ちゃんの誕生については、ゆっくりと見守っていきましょう。

今後のニュースにつきましては、わかり次第にお知らせしますのでお楽しみに!!



* 祝 パンダ公開後入園者500万人達成!
2000年7月28日にパンダが来園してから約3年、本日2003年8月7日PM1時40分頃、入園者500万人に達成しました。
500万人目の入園者は、神戸市須磨区から家族で来園された中元君10歳(小学5年生)。
『祝 パンダ公開後入園者500万人達成!』のボードにセットされたくす玉を、合図とともに家族で割ると、夏休みで訪れていた子供たちも拍手でお祝いしました。
中元君には500万人目の認定証と、大きなコウベパンダのぬいぐるみが進呈されました。

突然の出来事に中元君をはじめ家族もびっくり。
中元君: 「入園したら500万人目と言われ、びっくりして、初めは何のことかわからなかった。今まで5回くらい動物園に来てるけど、今年ははじめて。 好きな動物はトラ、ライオン、パンダ、パンダはおとなしそうなところが好き。これからパンダを見て来ます。」
お母さん: 「テレビでよく見かける光景が、まさか自分に回ってきたとは。そのことがすごい!!」
本日来園の子供たちにもパンダシールがプレゼントされ、記念式典は終了しました。
ジャイアントパンダ公開後の入園状況について
平成12年8月12日 入園者10万人達成
平成12年12月3日 入園者100万人達成
平成14年2月25日 入園者300万人達成



* メスのタンタン 人工授精を行いました
 5月2日午後からジャイアントパンダのメスのタンタンが発情のピークを迎えました。
非公開にしてオスのコウコウとメスのタンタンを同居させ、自然交配を試みていましたが、交配が確認できませんでした。このため、人工授精を行いました。
 なお、この結果については約4ヶ月後となる見込みです。

自然交配試行 5月2日 3回 5月3日 4回
人工授精 5月4日 1回 5月5日 1回


メスのタンタン

オスのコウコウ




* それぞれに活発です
新緑がまぶしい4月17日、2頭は個性あふれる行動で、私達を楽しませてくれます。
そのしぐさは時間の経つのを忘れてしまうほどの愛らしさです。
■オスのコウコウ

遊び道具のタイヤに大きな頭を「ヨイショ!」とばかりに突っ込んで、パンダすわりでブ〜ラブ〜ラ。 大きな口を開けてタイヤの内側をひとしきりガリガリした後は、ゴロンと寝そべりユ〜ラユ〜ラ。 この日はタイヤが絶好の遊び道具でした。


■メスのタンタン

「タンタンが木登りしてる!!」 弾む子供の声を聞き見てみると、3メートルくらいの高さの、枝が三つ又になっている定位置にチョコンと座っています。 時折両手を離し、すぐれたバランス感覚を見せ付けながら優雅な時を過ごしています。
食事の時間になると、登る時と違いちょっと不器用な様子で降りてきます。 でもオスのコウコウのように大胆に途中から落ちるようなことはなく、最後まで慎重に、それがタンタンです。 好物のニンジンを手渡しで食べる姿に、深い信頼関係を感じ、感嘆の声があがっていました。






* 1代目よりもっと活発・・2代目『コウコウ』
 2月17日(月)、春を思わせるうららかな日差しの中、 元気な保育園児に囲まれて、2頭はいつも人気者です。
■コウコウ
コウコウ  『コウコウ』、『コウコウ』と保育園児の大声援を受けながら、 屋外の運動場を自由気ままに動き回っています。
木製ベンチの下にもぐり丈夫な歯でバリバリと土台の木を噛んでみたり、 運動場から2mほど下の堀には端のスロープを歩いて降りることができますが、 そこを歩かず運動場の中央から全身を伸ばしてダイレクトに降りてみたり、 プールにちょっとつかってみたり、おしりを向けてうんちをしたり・・ 活動的なコウコウに、やんちゃな保育園児の目も釘づけです!!

 動物園では毎日体重測定をしています。
朝は129kgぐらいですが、 夕方5時、最終の体重測定では140kgに増えているそうです。
1日約10kgくらいの食事を食べていることになります。
 コウコウは、多くの人々に見守られながらスクスクと成長し、 1代目よりさらにやんちゃだそうです!


■タンタン タンタン  メスのタンタンは上品です。
ササを食べる時は得意のパンダすわりで行儀よく、 食後のお昼寝はお気に入りのベンチに横たわり、 短い前足を大きな頭にちょこんと乗せた愛嬌たっぷりのタンタンスタイル。
 寝ている姿も人気者です。