港でも検査待ちのため、すぐに乗船できませんから、その間も、気温は上がる一方です。
水をくんで来ては動物の体にかけて体温を下げさせなければなりません。
今回動物を輸送してくれる船は中国の燕京号(1万トン)で船倉の一番すずしいところに置いてくれる事になっていました。
実際に船倉に入ってみるとかなり暑く、先輩たちに「暑いから、水を何度かかけてやれ、
餌はやりすぎるな」等のアドバイスを受けていましたので十分注意をしました。
園関係者はじめ多くの人に見送られ感激の神戸出港でした。さあ、これからは中国まで輸送を担当する飼育係長と僕の二人だけです。
動物も落ち着かないようですが、僕自身も落ち着かず動物を無事に運ばなくてはという責任がずっしりと重くなりました。
船内での飼育作業は、1回30分程で、飲み水の交換を中心に乾草等の補充等でした。
なにしろ暑く数分で汗がふき出し、考えていたより大変な作業でした。
航海は順調、波はおだやかで夜になる頃にはキリンも餌を少し食べ始め、ひとまず安心しました。
午前1時30分最後の作業が終わり、甲板で一人、動物の輸送は何て大変なんだろう、
昔に動物を運んだ先輩たちはどんなに大変だったかを改めて思いました。
船の二日間は動物たちにとっても、僕たちにとってもかなり長い旅でありましたが、みんな無事で中国の天津港に着くことができました。
|