* みんなに愛され続けた、マサイキリンの「キリコ」




国内最高齢のメスのマサイキリン「キリコ」が、1999年1月8日、30歳で死亡しました。
死因は老衰で、飼育しているキリンの寿命は、普通25年ほどといわれている中、 天寿を全うした大往生でした。
たくさんの子どもを出産し、 みんなに愛され続けた「キリコ」の歴史を紹介します。
●キリコと仲間たち
gazou キリコ(メス)は、1971年11月8日にコズエ(メス)や、 ミネコ(メス)とともに王子動物園にやってきました。
来園時の年齢は3頭とも推定2歳でした。
この当時の飼育日誌を見ると、長旅の疲れや環境の変化のためか、 5日間ほどはほとんどえさを食べず、飼育に苦労されたようです。
えさを食べ始めてからは順調に生育し、 来園してから3年目にはキリコとミネコに、 4年目にはコズエに待望の赤ちゃんが誕生しました。
それ以降も順調に繁殖していましたが、 残念なことに阪神・淡路大震災直後の1995年1月21日にミネコが26歳で、 同年7月19日にはコズエも26歳で共に老衰でこの世を去りました。

●国内最高齢の長寿記録

キリコは1999年で30歳になりました。
国内で飼育されているマサイキリンの中では最高齢です。
海外での長寿記録はINTERNATIONAL ZOO YEAR BOOK(国際動物園年鑑)によると、 マサイキリンでは24歳、アミメキリンでは32歳という報告があります。
それを見てもキリコの30歳というのは、たいへんな高齢であるといえます。

gazou ●キリコの子どもたち

キリコが初めて出産したのは1974年6月22日です。
オスのナガオとの間に生まれた子どもで、性別はオスでした。
それからは順調に出産し続け、ナガオとの間に6回、 ケン(オス)との間に3回ミミオ(オス)との間に3回、 合計12回も出産しました
この内6頭の子どもが元気に育ち、国内はもとより、 韓国の龍仁自然農園や、中国の天津動物園にも友好動物として贈られています。

●健康を願って

キリコの最後の出産は1996年8月21日でした。
高齢であることから出産に耐えられるか、と心配していましたが、無事出産し、 産後の経過も順調で安心していました。
しかし、高齢出産のためか、子どもに元気がなく、 生まれて90日目に立ち上がることができなくなり、93日目に死亡しました。
キリコもこの頃から食欲が落ち、やせて毛のつやもなくなってきました。
それ以来出産させると子どもはもとより、母体も危険なので、 妊娠しないようにオスと分離して飼育していました。
また、食欲増進の為、大好物のニセアカシアやサクラなどの木の葉を、 毎日園内で採取して与え、最近では食欲も旺盛になり、 少し太ってきたようでした。
新たな心配事は、足が少し弱り運動量が減ってきたことでした。

1998年9月、敬老の日に、国内最高齢29歳長寿のお祝い会をし、 好物の桜の枝葉で作ったリースをおいしそうに食べていました。
飼育係、そしてみんなの願いは来年も元気で、 このお祝い会が迎えられことでしたが、1999年1月8日早朝、 30歳という天寿を全うし、飼育担当者に見守られながら、 静かに息をひきとりました。



↑
思い出のアルバムのページへ