思い出のアルバム 


* 特別展「サル展」

2004年の申年にちなみ、サルの不思議を楽しく学ぶことができる特別展が動物科学資料館内で開催されています。
世界のいろいろなサルの特徴を写真やはく製などで展示、紹介したり、クイズや手づくりのサルのお面などで遊ぶ事のできるコーナーなど、子供から大人まで楽しめる空間です。


一口にサルと言っても、ネズミみたいに小さなものから大きなゴリラまで実に様々です。
私たち人間も、分類上では霊長目ヒト科というサルのなかまです。
このためヒトの心や体の仕組み、社会の成り立ちなどを理解するために、いろいろなサルの研究が行なわれています。
しかし一般には、サルがどんな動物でどのように暮らしているのか?
また、動物園でおなじみのサルたちが、野生では絶滅の危機にあるといったことなどは、よく知られていません。
長い進化の歴史の中で、最近までヒトと同じ道を歩んできたなかまであるサルたちについて、この2004年の申年を機会に、少しでも興味を持っていただければ幸いです。

【目】
◆色を見分けています。
サルの目は色を見分けることができます。
多くのサルが昼間活動することと関係があります。
サルのなかまに色あざやかなものが多いのは、色を見分けられることに関係しています。
(夜行性のサルやキツネザルのなかまは色を見分けることができません。)
◆左右の目で前方を見ています。
2つの目が前向きに並んでいて、左右の目の見る範囲が大きく重なり、物の「位置」や「距離」を正確にとらえることができます。
これは木の上でくらすためにはとても重要な働きです。

【手と足】

◆指にはしもんがあります。
指にはしもんがあるので、ものを持つ時、すべりにくくなっています。
ヒトのしもんに比べると単純ですが一頭ずつちがっています。

◆5本の指があります。
サルのなかまは手足にそれぞれ5本の指をもっています。
サルはこれらの指を自由に動かし上手に物をつかむことができます。

◆平づめをもっています。
多くサルはネコのような「かぎづめ」ではなく、平たい形のつめ「平づめ」をもっています。
指先の感覚にすぐれ、指を器用に使うことができます。
(一部のサルのなかまでは、かぎづめをもっているものもいます。)

◆親指が向きあっています。
親指が他の4本の指と向きあっているのもサルの手足の大きな特徴です。
それによって食べ物をつまんだり、皮をむいたりすることができます。

数種類のサルの手のイラストと、特徴が書かれています。
どのサルの手かわかるかな?
ボードをめくると、その持ち主であるサルの写真が登場します。

世界には180〜200種類のサルが生息しています。
その内の74種類を種類別にパネルで紹介しています。あなたは何種類のサルを知っていますか?
◆原猿類
キツネのように鼻が長くて、先が湿っています。
においづけのための分泌腺があり、おでこや口の周りにも毛が生えている。
夜行性のものが多い。
ワオキツネザル・スローロリス・アイアイなど13種類がパネルで紹介。
◆新世界ザル
中央アメリカから南アメリカに住み、広鼻猿(こうびえん)ともいわれています。
鼻の穴が真下ではなく外側に向いて開いています。
尾がよく発達しているものが多い。
ボリビアリスザル・ヨザル・エンペラータマリンなど26種類を紹介。
◆旧世界ザル
アジアやアフリカにすむオナガザル科のサルで、尻だことよばれる皮フの厚くなった部分がお尻にあります。
頬袋を持つものや、胃がウシのようにいくつかに分かれているものもいます。
鼻の穴はヒトと同じように下向きに開いています。
キンシコウ・クロハザル・ブラッザグエノン・テングザルなど26種類を紹介。
◆類人猿
ヒトに一番近いサルで、旧世界ザルと同じ狭鼻猿(きょうびえん:鼻の穴が真下に向いているサル)に含まれます。
尾はなく、顔に表情が現れます。足よりも手のほうが長くなっています。
オラウータン・テナガザル・ゴリラ・チンパンジーなど8種類を紹介。

壁には全身が映る(写る)大きな鏡が設置され、その横にはマンドリル・キンシコウ・ゴリラ・テングザル・ブラッザグエノン・チンパンジーなど、さまざまな表情をした手作りのお面があります。
好きなお面をかぶり、その姿を鏡に写してさあ、あなたもサルに変身!

1992年5月13日、オスのチャンチャンとメスのウェンウェンが来園し、日中共同飼育研究がスタートしました。
翌年中国以外では初めてという赤ちゃんが誕生し、当所1年の飼育研究が10年間に延長されました。
期間中、3頭のメスと2頭のオスの間には合計4頭の赤ちゃんが誕生し、2004年1月その研究期間を終え、現在王子動物園で飼育されている3頭すべてのキンシコウは中国へ返還されます。
王子動物園での飼育の歴史を、ビデオやパネル・報道記事などで紹介しています。

サルにまつわることわざをイラストと共に紹介しています。
◆猿も木から落ちる
その道にすぐれた者でも、時には失敗することがある

◆見ざる 聞かざる 言わざる
目・耳・口をそれぞれ両手でふさいださる。
人の欠点、あるいは自分の心をまどわすようなものは、見ない、聞かない、言わないということをしめしたもの。三猿の教え

◆猿の尻笑い
猿が自分の尻が赤いのには気づかず、他の猿の尻の赤いのを笑うことで、自分の欠点には気づかずに、他人の欠点をあざ笑うことをいう。

◆美人の終わりは猿になる
美人が年をとるとかえって醜さがめだつこと、中国の故事にもとずく




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