*  思い出のアルバム  *

* 霜降の日『オウサマペンギン』のお引越し



オウサマペンギン  秋が深まり霜が降り始める日と言われる10月23日、 オウサマペンギン4羽が、今年も「冷房室」から屋外プールへお引越しをしました。
オウサマペンギンは亜南極に生息しているため、 暑い所では体温調整できません。
 そのため4月末からこの日まで、 約17度に保たれた「冷房室」で過ごしていましたが、 秋も深まり気温も低くなったので、 そこから約20mの観覧通路を通って、屋外のプールへ引越しました。

 ペンギンが歩く通路を挟んで幼稚園の子供たちが、 「来たよ、来たよ。」 「わぁ、おおきいなあ。」 「歩くの早いねえ。」 と目の前を歩く、同じ背丈のペンギンを見ながら興奮しています。
短い足でペタペタと、そしてキョロキョロしながらみんなの前を通り過ぎ、 「冷房室」の約5倍はある屋外プールに移りました。

 4羽は団体行動でプールの周りをぐるぐると見回り、 なかなかプールに飛び込もうとしません。
 やっと1羽が飛び込むとそれに続いて3羽も入り、 気持ちよさそうに泳いでいます。
 また陸にあがった4羽は、 空を仰ぎながら伸びをする格好で大きな声で鳴き、 全身で秋を満喫している様子でした。

 ●引越しを見学したみんなの声● 
  • 「ペンギンさんに”こんにちは”ってあいさつしたよ。 そしたらペンギンさん”うん、うん”って言ったよ。」 5歳 女の子

  • 「あんなに近くでペンギンを見たことがなかったけれど、 羽に光沢があって、とってもきれいね。」 50代 女性

  • 「2歳の子供がペンギンについて歩きたがりましたが、 ペンギンの方が早く歩いていました。」 20代 女性

 ●とっておき!大山さんのお話し● 

 王子動物園でペンギンの飼育をしている大山さんに、お話しを伺いました。

大山さん: 大山さん  ペンギン社会は平等なので、ボスは決まっていません。
集団で行動するように見えるのは、中の1羽が別の動きをすると、 そのペンギンが先頭となり他のみんなも同じ行動をします。
また別の1羽が違う動きをすれば、 今度はそのペンギンを先頭に、みんなもついてくるのです。
また同じ様に見えても、1羽づつ性格が違うんですよ。
 例えば僕が世話の為に冷房室に入ると、 僕と反対側にペンギンが行くという約束事があります。
 そんな時でも、ずっと隅っこの方に居て近づかない怖がり屋さん、 しばらくすると近づいてくる好奇心の強いペンギン、 という様にそれぞれの個性が出てきます。

 王子動物園のオウサマペンギンは全体的におとなしく、 気長で臆病者ですね。
 環境の変化にも敏感なので、引越しの日は、 ちゃんとご飯を食べてくれるか心配です。

 あいにくの小雨にもかかわらず、 多くの人々に見守られながら、今年のお引越しも無事に終わりました。
 これからの季節は、オウサマペンギンを間近で見る事ができます。
フンボルトペンギン、マカロニペンギンも一緒に、 ペンギンプールはにぎやかです。




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